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活気ある職場を作るための5原則

2023-05-03

 こんにちは、松幸です。私は、20代に250名の工場の技術リーダーを経験し、40代で3000名の工場の工場長を経験してきました。職場のメンバーが、やる気をもって、楽しく仕事をするためにどうすればよいのかを日々悩み・考えて・実験しながら、自分なりの考え方・やり方を構築してきました。

 また、2022年には脳科学にも興味を持ち、日本能力開発分析協会(JADA)が認定するSBT1級メンタルコーチ資格も取得し、脳科学の視点からもヤル気・活気・モチベーションを科学的・理論的にご説明できるようになりました。

 皆さんは、リーダーとして自職場を振り返った時に、「ヤル気・活気がみなぎっている職場」になっていますか? 「そのような職場にしたい」と思っていても、なかなか実現するのは難しい事でしょう。

 私も「ヤル気・活気がみなぎる職場」を目指し、経営やリーダーシップに関する本を読みあさり、自社・他社問わず多くの会社を訪問して見学させてもらい、どのようなことに取り組んでいるのかを調査し、できることは何でもやると心に決めました。そして、良い職場を作るための原理原則があることに気が付きました。その原則について、お伝えしたいと思います。

 この記事を読んで頂いた皆さんが「これから何をすればよいのか?」が、明確になり、明日から「職場を良くするため」の一助になれば、幸いです。

目次

  1. 1. 活気ある職場を作る基本的な原理原則
  2. 2. 整えるべき5つのこと
  3. 3. 具体的なやり方
  4. 4. 総合的に基礎を固める
  5. 5. まとめ

1. 活気ある職場を作る基本的な原理原則

 この記事を読んでくれている人は、組織の大小を問わず、職場のリーダーではないかと思います。リーダーとして、「遣り甲斐・働き甲斐のある職場にしたい」「楽しく・自分の能力を高められる職場にしたい」と考えていることでしょう。私も、25年以上仕事をし、その内15年以上は部下を持つ職場のリーダーをさせて頂いています。

 その中で、「活気がある職場」を作るためには、原理原則があることが分かりました。色々なビジネス書に書かれているものは「経営・経営者用」としてまとめられているものが多く、「職場のリーダー用」としてまとまっているものはほとんどありません。そこで、私の経験を絡めて、解説・紹介させて頂きたいと思います。

2. 整えるべき5つのこと

 職場の構成メンバーや会社の状態(創業間もない会社なのか、事業が安定している会社なのか)などにもよりますので一概に言えませんが、まずは以下の5点を整えていくのが基本です。

a) 職場のビジョン・ミッションを明確にする
b) 職場の物理的&心理的環境の両面を整備する
c) やりたい!と思わせる目標を設定する
d) 具体的なアクションプランを作る
e) アクションプランのPDCAを回し続ける

 私も、職場のリーダーを任された時に、「目標設定」や「アクションプラン」は作るものの、「職場ビジョン」や「PDCAを回す」事をやらなかったことにより、途中でうまくいかなくなってしまうことがありました。
 何事も基本がきちんと構築できていることが大切であり、誰にでも設定可能なことです。私の場合も、基本的な職場環境が整える過程を経て、自分が思い描く職場を実現できるようになりました。

3. 具体的なやり方

それでは、具体的なやり方を説明します

a) まずは、職場のビジョン・ミッションを明確にする

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 職場の構成員には、年齢も性別も人種も雇用形態も出身地も仕事に対する考え方も異なる人がいることが前提です。今の時代は、昭和の高度成長期のように、全員が男性・正社員(終身雇用)・24時間働く企業戦士ではありません。よって、ビジョン・ミッションを一緒に作っていくプロセスが実はものすごく重要です。
 ここでのポイントは、「職場全員を巻き込んで作ること」です。
 私は色々な国で仕事をし、仕事に対する価値観の異なるメンバーを何とか「会社の目標」と「メンバーの目標」を近づけることを心掛けてきました。これにより、「やる気・遣り甲斐」をメンバーのモチベーションに変えることができました。
 即効性はありませんが、職場のビジョン・ミッションをみんなで考え、作り上げることが、本当に重要です。まだ作成していない方は、楽しみながら作ってみて下さい。

職場のVision、Missionの作り方は、以下のブログで解説しています。参考までにご覧ください。

職場のモチベーション向上メソッド~ ①職場の目的(Mission)と将来の姿(Vision)を設定する|松幸明@活気ある職場づくりナビ|note

b) 職場の物理的&心理的環境の両面を整備する

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 次は、職場環境の整備です。
 私は工場で勤務していますので、職場・作業場の5Sを徹底的に整備しました。まずは、整理・整頓し、ゴミ一つない職場に仕上げました。
 ここでのポイントは、掃除した瞬間は確かにきれいなのですが、そのままにしておくとすぐに元に戻ってしまいます。元に戻らないような仕組み作りが、5Sを浸透させ・徹底するところになります。一言で言うと、良い事を「習慣化」する事です。例えば、次回の掃除を、「いつ、だれが、何を」担当するのかを決めること。そして、毎日・毎週実施すること。その様な職場の環境を作ることにより、誰もが気持ちよく仕事ができる環境が整備できます。

職場のモチベーション向上メソット~ ③「探すムダ」を減らして効率を上げよう!|松幸明@活気ある職場づくりナビ|note

 心理的環境は、リーダーがすぐに対策できる事があります。①情報のコントロールと、②仕事量のコントロールを適切に対策することにより、多くの不満が解消されます。
 ①情報のコントロールは、明確な指示を出し、「噂による指示や情報」を限りなく無くすことです。例えば、特定の人に「◯◯さんから✖✖に関する報告を聞きたいと思っているんだよね」 とつぶやくのではなく、◯◯さんに直接「✖✖に関する報告を△日に聞かせて欲しい」と指示することです。
 ②仕事量のコントロールは、こちらも5Sにつながりますが、誰が・いつ・何をやっているのかを見えるかすることにより、誰が忙しくて、誰が暇なのかを見えるかします。仕事量を見える化すると、時間がある人は、自発的に忙しい人を手伝うようになります。

職場のモチベーション向上メソッド ~⑨職場の活性化のための情報共有|松幸明@活気ある職場づくりナビ|note

c) やりたい!と思わせる目標を設定する

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 上述のa)ビジョン や b)職場環境を整備していないリーダーでも、目標設定は大概やられていると思います。よって、あえて言うなら「手に届きそうだけど、少し本気にならないと届かない」背伸びしないと届かない目標設定が大切です。120%ぐらいの力を出さないと達成できない目標ですね。
 やってはいけない目標設定の例としては、上位者からの目標をそのまま「無理」とわかっていながら設定する事です。これは最悪です。メンバーの「やらされ感」や「無理やり感」で仕事をしますので、当然モチベーションが低下しますので、絶対にやめましょう!

職場のモチベーション向上メソット~ ⑤やりたい!と思わせる目標の作り方|松幸明@活気ある職場づくりナビ|note

d) 具体的なアクションプランを作る

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 目標を設定したら、具体的なアクションプライを作りましょう。
 私の場合は、3か月分の日時のプランを作成することをやり続けています。3ヵ月都度にレビューをし、改善点を盛り込んで次の3ヵ月分のアクションプランを作り続けると、1年後のアクションプランの質が以前とは比べ物にならないぐらい細かく、実行可能なものになっていることでしょう。
 また、各仕事のテーマごとの期限を決めることも大切です。

「コミュニケーションが苦手」なのに「チームで結果を出せるリーダー」  ②愚直に実行計画を作成している!|松幸明@活気ある職場づくりナビ|note

e) アクションプランのPDCAを回し続ける

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 もっとも忘れがちなのが、PDCAサイクルを回すことです。目標を設定し、アクションプランを作成したら、リーダーの仕事が終わったと思いがちです。しかし、結果を出すためにはPDCAサイクルを回す仕組みを作ることが重要です。これをやることによって、格段に結果が出るようになります。間違いありません。

 「具体的に何をするか?」ですが、仕事の区切りごとに打合せや報告会を設定することです。たったこれだけですので、非常に簡単です。

 ある日突然「報告を聞きたくなったので、予定にはなかったけど報告して欲しい」といわれると、誰でも嫌になります。毎回がこのような調子だとしたら、そのリーダーの下では仕事をしたくありませんよね。突然の報告命令を避けるためには、予め定期的な報告時間を設けたり、明確にいつまでに提出するように伝えておくのです
 私の場合は、週次で話し合いをする時間を設けていますが、そのような時間を活用するのがまずは良いでしょう。

職場のモチベーション向上メソット~ ④PDCAサイクルを効率的に回す方法!|松幸明@活気ある職場づくりナビ|note

4. 総合的に基礎を固める

 ここで述べてきましたように、実は「活気のある職場を作る」為の特効薬や特別なことは残念ながらありません!
間違いなく言える事は、
当たり前のことを当たり前にやる」、
「そのための仕組みを作る」
ことであり、
簡単そうですが、習慣ができるまでに時間がかかります
途中で投げ出さずに、やり続けることです。何事も、「継続は力なり」と言いますが、その通りだと思います。

脳科学や天才を生み出す過程でも、「やり続ける」事が最も重要な事です。

実力を上げる=やり続ける・2000時間|松幸明@活気ある職場づくりナビ|note

 私は、3000名の工場の運営を任された時には、全12職場の全ての職場にこの5原則をシッカリ導入するまでに、6カ月ぐらいかかりました。
 活動を開始2カ月目ぐらいから、職場のみんなの顔色が変わってきたのを覚えています。
 3カ月目には確かな手ごたえを感じることができました。一度、崩れてしまった職場も、基本原則を愚直に導入することにより、蘇ります。

 そこまでやる必要があるのか?と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。前にも述べましたが、私も、「目標設定」や「アクションプラン」は作ったものの、「職場ビジョン」や「PDCAを回す」事をやらなかったことにより、途中でうまくいかなくなった経験があります。
 何事も「当たり前のことが当たり前にできること」が大切であり、時間がかかったとしても、必ず達成できることだと思っています。やろうと思えば、誰にでもやれることですので、是非とも基礎固めとして、5つの原則に取り組んで欲しいと思います。

更に具体的な目標設定方法をまとめましたので、下記内容も参照してください。また、具体的な質問がございましたら、コメント欄に記載して頂ければお応えいたします!

職場運営に悩んでいるリーダーのための「チームで結果を出す」 トコトン準備術(1)方針・目標の効果的な作成&伝達方法|松幸明@活気ある職場づくりナビ|note

5. まとめ

 「やる気・活気がみなぎる職場にしたい」と思っているけど実現できていない場合は、「活気ある職場にするための5つの原則」を導入すれば、確実によくなります。

 その基本原則は、以下の5つです

a) 職場のミッション・ビジョンを明確にする
b) 職場の物理的&心理的環境の両面を整備する
c) やりたい!と思わせる目標を設定する
d) 具体的なアクションプランを作る
e) アクションプランのPDCAを回し続ける

 当たり前のことかもしれませんが、当たり前のことを愚直にやることこそが重要であり、とても難しいことなのだと最近感じます。

 この5つの原則を実行して頂くことにより、皆さんの職場が、皆さんにとっても、メンバーにとっても「遣り甲斐をもって過ごせる素晴らしい職場」になる切っ掛けとなれば、本当に嬉しい限りです

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  • この記事を書いた人

松幸 明

幸献ファクトリー369代表
職場活性化コンサルタント
JADA協会SBT1級コーチ(脳科学メンタルトレーニングコーチ)

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